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海の恩恵:私たちが受け取るもの |
海の経済価値や、私たちが海から受ける“サービス”は、 人口や工場が集中する沿岸部と、絶好の漁場である大陸棚などの近海に集中しています。 当然、その負担も、陸地から近い沿岸海域に、より多くかかっています。 |
食料源としての海
現在、人は世界平均で、全タンパク質の6%、動物性タンパク質の16%を魚介類から摂取しています。なかでも、アジア人は動物性タンパク質の30%以上を魚介類に依存しています。1950年以来、漁獲量は6倍に増加しており、金額で見ると、その83%が先進国に輸出されています。 |
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輸送路としての海 近年、国際間の物流は、国境をなきものにする勢いで増加を続けています。空路が発達しつつあるとはいえ、今も貨物の輸送は、海運が主流。1955年以来、国際貿易量は6倍に増加、2020年までには、さらにその3倍に増加する見込み。そのうち90%が海上輸送で運ばれると予想されています。 |
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資源としての海 現在、世界の石油と天然ガスの26%は、中東、米国、中南米、北海の沖合採掘設備から産出しています。それ以上に貴重なのが、生物資源。まだまだ私たちが探索していない未知の海域が多く存在し、海は貴重な生命形態、遺伝子情報の宝庫であると考えられます。 |
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地球環境を調節する海 見落とされがちですが、海は森林と同じように、植物プランクトンによって、二酸化炭素を吸収します。植物プランクトンやその他の有機炭素類(海草など)は、海洋動物によって摂取されますが、一部は深海に落ち込み、何百年という時間をかけて、深海に堆積しています。その量は、およそ1500万ギガトンで、陸地に堆積された量がおよそ4000ギガトンですから、その蓄積量、つまり二酸化炭素貯蔵量は、くらべものになりません。 また、海は、暴風の防御や、気候、気温の調節など、はかり知れない環境調整を行い、この地球を、生物にとって、住みやすい場所にしてくれているのです。 |
各生態系の面積とそれが提供する財とサービス | ||||||||||||
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[出所]Robert Costanza et al., "The Value of the World's Ecosystem Servises and Natural Capital, " Nature, 15 May 1997. [出典]『地球白書1999-2000』 |