長野県 木曽川上流部

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オレンジの斑点が鮮やかなアマゴ。


長野県塩尻市から奈良井川沿いに走る国道19号線。かつて江戸から信濃を経由し、大津を経て大阪を結んだ街道、中仙道だ。塩尻の辺り一面のぶどうや梨畑を過ぎると、街道は山あいを縫って走るようになり、あちこちに漆器の看板が目につくようになる。名産のそば道具をはじめとする漆器が、この街道を通って江戸や大阪へと運ばれていったのだろう。

奈良井宿を過ぎトンネルを越えると、峠を境に木曽川水系となる。伊勢湾に流れ出す木曽川の最上流部が、木祖村だ。辺りを山々に囲まれた、のんびりとしたところ。近年、木曽川に流れ込む奥深い支流“味噌川”にはダムが造られ、その上流部は通年禁漁区となってしまった。しかしダムではきっと、源流から降りてくる魚が回遊するようになり、大きく育つことだろう。
木祖村を流れる木曽川は、集落の中を流れる里川だ。川沿いには、今を盛りにコスモスやひまわりが咲き誇っていた。少し上流へ行くと川幅が狭まり、ほどよく底石が魚たちの隠れ場所を造っている。下流部は河原が広く、思いきりロッドが振れる。水はとても清らかで、瀬に出てエサをとるチビヤマメたちがはっきりと見える。青空の下、太陽を思いきり浴びても、谷間を抜ける風はひんやりと冷涼でさわやかだ。水温も盛夏だというのに13℃と、トラウトたちにとっては最適温度だ。堰提の手前では25cmのイワナがフライをくわえた。石の陰からは、オレンジ色の斑点が鮮やかなアマゴが飛び出した。




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味噌川ダムから見下ろした木祖村。小さな集落だ。
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街道の宿場町、奈良井宿には漆器の販売店が並ぶ。
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木曽川上流、小木曽付近の清流。


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川沿いに植えられたコスモス。
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里川なので釣りやすい。コンクリートの際にフライを流す。




運営:木曽川漁業協同組合

1日券:¥1,050
遊魚期間:2月16日〜9月30日
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