静岡県大井川支流・笹間川

photo
笹間川下流域。河原が広く、思いきりロッドがふれる。


“箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ大井川”と唄われた江戸時代の東海道の難所、大井川。当時、江戸幕府の政策として橋を掛けることや、渡し船が禁じられていたため、旅人は歩いて川を渡らなければならなかった。日本三大急流のひとつにも数えられるほどのこの大井川を、旅人が案内なしに渡ることはたいへん危険なことだった。そこで川越人足に代金を払って、連台でかついでもらい川を渡る制度ができた。ひとたび大雨が降り、川が増水してしまうと、旅人は水位が下がるまで宿場に何日間も足止めされてしまったそうだ。

現在は上流部に3つのダムができ、堤防も造られ、水量こそ少なくなってしまったが、当時は広い河原をとうとうと水が流れていたことだろう。

この大井川を望む一帯は緑茶の産地で、下流部の牧野原台地をはじめとして、大井川の中流域までえんえんと茶畑が続く。新緑のころには、摘み取った新茶を満載した軽トラックが川沿いや、山々を行きかう。そんな書き入れどきに釣りに出かけてしまうと、狭い道でお茶を積んだトラックとすれ違うのが、仕事の邪魔をしているようでなんとも申しわけない気分になる。
川沿いには単線の大井川鉄道が走り、上流部に住む人々の生活の足となっている。休日には、いまは懐かしい蒸気機関車が走り、訪れた人の目を楽しませてくれる。遠方からも多くのSLファンが写真撮影に訪れる。

大井川は南アルプスの山々から端を発し、いくつもの支流を集めて駿河湾へと流れ出す。畑薙湖より上流の源流部は南アルプスへの登山口となり、徒歩でのアクセスとなる。中流から下流にかけては、夏場は多くの鮎釣師たちでにぎわう。

数ある支流の中でも、とくに奥深いのが笹間川だ。本流への合流付近には笹間ダムがあり、夏場はジェットスキーを楽しむ人々でにぎわう。バックウォーターから中流部にかけて、河原は広く、のびのびとキャスティングができる。夏場は鮎釣りがメインになってしまうので、シーズン初期にアマゴ狙いの釣りが楽しめる。




photo
大井川沿いを走る2両編成の電車、大井川鉄道。週末には昔懐かしい、蒸気機関車が走る。
photo
大井川中流域。広い河原では、鮎釣り、キャンプと思い思いに楽しむ人々が見える。
photo
大井川沿いはお茶の産地。川を見下ろすように茶畑がつづく。川に立つ霧が、おいしいお茶をつくる。


photo
笹間川中流域。深みのあるプールでは鮎師が竿を出していた。夏場は鮎釣りの川となる。
photo
シーズン初期には、アマゴが釣れる。




新大井川漁業協同組合

Phone:0547-45-2642
photo