東京都養沢川

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管理事務所のすぐ裏手の流れ。ゆったりと流れるプールで、静かにドライフライを流す。


奥多摩の山々から集めた水を、多摩川へと注ぐ秋川。その支流に養沢川がある。山あいの集落を流れる里川で、そのうちの3.8km区間が毛針専用釣り場だ。

ここは1955年に、アメリカ人故トーマス・ブレイクモア氏(1915〜1994)が地元の人々に働きかけて造った。以来、40年余りフライフィッシャーたちを楽しませている。自然のままの姿の渓流には、ヤマメ、イワナ、レインボウ、ブラウンが数多く放され、自然産卵によって還った稚魚たちも多く見られる。

アブラビレの切ってあるヤマメを釣ると、かわいい七宝焼のヤマメバッジが貰える。毎年、バッジのカラーが違うので集めてみるのも楽しい。管理事務所は、養沢地区の材木で建てられたログキャビン。室内には、トーマス・ブレイクモア氏がかつて愛用していたバンブーロッドが飾られ、落ち着いた雰囲気を醸し出している。中ではお茶を飲んだり、休憩ができる。オープンデッキを通して聞こえてくる川のせせらぎは、よりリラックスした時間を過ごさせてくれる。
流れの緩いところでは、ヤマメやレインボウの姿が多く見られるが、こちらの姿も見られているのでなかなか手強い。瀬で活発にエサをとっている魚は、とても元気だ。水性昆虫も豊富で、その時期にマッチしたフライでの釣りが楽しめる。ドライフライが流芯に巻き込まれて沈んだ瞬間、ラインにクッとテンションがかかった。すかさずロッドをあわせると、魚は重い流れの底をグイグイ逃げ回った。なかなか顔を見せぬまま、ズンズンと瀬を下り、3つほど下のプールまで走ってしまった。

どんな大物がかかったのかと、寄せて見ると25cmほどのレインボウだった。が、お腹はパンパンにふくれており、かなり食い気のある元気な魚だった。レインボウの中には、50cmを越えるものも混じっていて、#2〜3のタックルでかけてしまうと、かなりスリルのあるやりとりになる。

岩の間からは、朱点の鮮やかなブラウンが、ドライフライに顔を出してくれた。日没間際に釣れたヤマメは、婚姻色に染まった34cmもある美しい魚体だった。




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管理事務所は、落ち着いたたたずまいのログキャビン。ここで入漁券を購入。休憩もできる。
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トーマス・ブレークモア記念碑。釣り場のオープン当初は外国人が多かったそうだ。
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少し離れた場所から、ポイントを狙う。


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岩の間から出てきたブラウン。ヒレもピンと張っている。
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パンフレットとトーマス・ブレークモアのポストカード。メンバーズカードも作ってくれる。




トーマス・ブレークモア記念社団 養沢毛針専用釣り場

住所:東京都あきる野市養沢103
Phone:042-596-5108
開設期間:3月1日〜9月30日
入漁料:1日¥4,500(6 : 00〜日没)
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