2000年9月30日 “八島ヶ原湿原植物群落” 長野県・霧ヶ峰湿原

昭和35年6月10日に天然記念物に指定された、下諏訪町の東の霧ヶ峰湿原植物群落。ここは、この“八島ヶ原湿原植物群落”(35ヘクタール、標高1,632m)と、“踊場湿原植物群落”(28ヘクタール、標高1,531m)、“車山樹叢・湿原・草原植物群落”(71ヘクタール、標高1,770m)とこれらを取りかこむススキ草原や牧草地、植林地から成っています。
八島ヶ原湿原は、主に水苔によって形成された、レンズ状の小池形をもつ典型的な高層湿原として、古くから、学術研究上も有名です。十数種類の水苔のほか、ヌマガヤ、ホロムイズゲなどの湿原植物が多く、尾瀬とともに、日本の代表的な高層湿原とされています。これら高層湿原は、微養料、貧石灰、貧酸素、酸性水、低温などの特殊環境のために、矮小な植物が大部分です。これらの植物が枯れても、腐食せずに堆積して泥炭化し、新苗はその上に生長するため、湿原は付近の水面よりも、高く盛り上がります。ここ八島ヶ原湿原の最高所は、水面より7mも高く、泥炭層の厚さは8.5mで、1万年かかって、できたそうです。池は3つあり、それぞれ名前がありますが、それは気にしないでお楽しみください。行かれた場合は、湿原におりて、左方向へ行かれるほうがおすすめです。対岸は、見るべきところはありません。1周、時速2km程度のブラブラ歩きで、2時間程度です。


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秋の気配の濃い、八島ヶ原湿原。主駐車場から湿原におりて、左側に行ったところから見られます。


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主駐車場の対岸のキャンプ場近くからの景色です。

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霧ヶ峰の山々。キャンプ場近くの池で、多くの写真家が訪れる場所のひとつです。


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