Thinking about Marine Environment!


02 新エネルギーってなに?


時代とともに移り変わった“新エネルギー”の定義

1974年に、通産省工業技術院で発足したサンシャイン計画では、太陽エネルギー、地熱エネルギー、核融合、合成天然ガスなどといった、既存エネルギー以外の新しいエネルギー源を、“新エネルギー源”と定義しました。しかし、時代とともにその概念も変化し、1994年に策定された“新エネルギー導入大網”では、“石油代替エネルギーのうち、経済性の問題からなかなか普及しないものではあるけれど、その導入が必要な物”を“新エネルギー”と定義しました。

具体的には:
1. 自然エネルギーの利用を中心とした、再生可能エネルギー
 ◎太陽光発電 ◎太陽熱利用システム ◎風力発電 ◎波力エネルギーなど
2. 廃棄物や廃熱の利用を中心とした、リサイクル型エネルギー
 ◎廃棄物発電 ◎未利用エネルギー活用型熱供給システム
3. 従来型エネルギーの新利用形態
 ◎クリーンエネルギー自動車 ◎コージェネレーションシステム ◎燃料電池

としています。つまり、単に石油代替エネルギーとして自然エネルギーの利用を考えるだけでなく、既存のシステムのなかからも、徹底的に無駄をなくし、エネルギー効率を上げることも考えはじめたのです。

そして、1993年に、通産省工業技術院で発足した“ニューサンシャイン計画”は、従来の新エネルギー開発計画“サンシャイン計画”、省エネルギー技術開発を目的とする“ムーンライト計画”を統合し、それに1997年の地球温暖化防止京都会議からの地球環境への考慮も加えて、新しいエネルギー技術の開発促進を意図しています。


新エネルギーの導入実績と目標

●供給サイドの新エネルギー

エネルギー分野 1995年度実績 2000年度目標 2010年度目標
太陽光発電 3.9万kW 40万kW 460万kW
風力発電 0.9万kW 2万kW 15万kW
温度差エネルギー 1.9万kl 20万kl 58万kl
廃棄物発電 81万kW 200万kW 400万kW
太陽熱利用 109万kl 300万kl 550万kl
廃棄物熱利用 4.1万kl 7万kl 14万kl
その他 479万kl 505万kl 593万kl
一次エネルギー
総供給に占める割合
702万kl (1.1%) 1210万kl (2.0%) 1910万kl (3.0%)


●需要サイドの新エネルギー

クリーンエネルギー自動車 0.4万台 44万台 222万台
天然ガスコージェネレーション 129万kW 267万kW 455万kW

□200年度および2010年度の目標は[新エネルギー導入大綱]の目標(代エネ供給目標の前提)。

□温度差エネルギーとは、夏期は外気温度が低く、冬季は高い河川水や海水等の有する熱エネルギーを活用することを指す。

□クリーンエネルギー自動車とは、電気自動車、天然ガス自動車、メタノール自動車を指す。

□その他とは、黒液(製紙工程における副産物)、廃材、燃料電池の導入を目指す。

[出所]資源エネルギー庁
[出典]『新エネルギー技術入門』

[参考サイト]
通産省工業技術院/ニューサンシャイン計画の概要について
http://www.aist.go.jp/nss/j-text/index.htm




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