Thinking about Marine Environment!


01 なぜ新エネルギーが必要なの?


化石燃料の有限性:石油はあと44年で枯渇!

全世界で、現在の生産量を継続していくと、石炭は231年、天然ガスは63年、石油は44年で枯渇するといわれています。とくに使いやすく、熱効率の高い石油は、商業エネルギー使用量の30%(天然ガス23%、石炭22%)を占める主要エネルギー源です。その石油が44年で枯渇するとなると、これは深刻な問題です。


偏在性:エネルギー源の95%以上を輸入に頼る日本

世界の主な石油資源は、中東、ロシア、アメリカなどの産油国にかたよって存在し、日本などの輸入国に、石油はほとんどありません。しかし、石油は最も重要な資源ですから、その供給がストップされれば、私たちは即“息の根を止められる”も同然です。1973年の第一次石油危機、続く1979年の第二次石油危機で、私たちは、その恐ろしさを痛感しました。当時、輸入原油価格が急騰し、経済は深刻な打撃を受けたのです。ほかの採掘資源も、同じ危険をはらんでいることはいうまでもありません。


地球環境への影響:化石燃料は地球温暖化の主原因

[地球温暖化について考える!]のコーナーでもご説明したとおり、石炭、石油といった化石燃料を燃やすと、二酸化炭素が発生します。二酸化炭素は、地球温暖化の主原因です。また、石炭、石油を燃やすと発生する二酸化硫黄(いおう)は酸性雨の原因に、自動車などの排気ガスに含まれる二酸化窒素は大気汚染の原因になっています。1997年、京都で開催された地球温暖化防止会議で、こういった温室効果ガスを、EUは8%、アメリカは7%、日本は6%削減することを公約に掲げましたが、なかなか進んでいないのが現状です。

[参考サイト]
Nature Net 環境資料室/地球温暖化について考える!
http://www.nature-n.com/g_wrm/index-j.htm


安全性:No more チェルノブイリ!

エネルギー問題を考える際には、どうしても原子力発電を避けては通れません。現在、日本の発電量の40%は、原子力発電によって供給されています。原子力は、二酸化炭素を発生させないという意味では、クリーンなエネルギー源です。しかし、原子力を使うからには、廃棄物の将来の処理方法などにまで、100%の安全性が保障されなければなりません。すでに、アメリカ、イギリスなどでは、“将来の安全保障も含めた経済性を考えると成り立たない”という判断から、原子力をあきらめる動きが出てきています。原子力に限らず、これから開発されるすべてのエネルギー源も、安全性が確かめられたうえで実用化するべきだといえるでしょう。


世界のエネルギー資源埋蔵量

  石 油 天然ガス 石 炭 ウラン
*確認可採埋蔵量
[A]
1,018,849百万バーレル 140兆立方メートル 10,316億トン 451万トン
全世界
(97年1月1日現在)
全世界
(96年1月1日現在)
(93年末) 全世界
(95年1月)







北米 2.7% 4.7% 24.2% 17.0%
中南米 12.6 5.5 1.1 5.8
西欧 1.8 3.4 7.3 3.1
中東 66.4 32.4 0 0
アジア・太平洋 4.2 6.7 30.9 24.0
アフリカ 6.6 6.8 6.0 16.6
旧ソ連・東欧 5.8 40.6 30.6 33.5
**年生産量
[B]
63,375千バーレル/日
(推定、96年)
222百億立方メートル
(95年)
44.7億トン
(93年)
3.1万トン
(94年)
可採年数
[A/B]
全世界44.0年
(96年)
全世界62.9年
(95年)
全世界231年
(93年)
全世界73年
(94年 ***)

[出所]
*石油:Oil & Gas Journal (December 30. 1996)
天然ガス:Oil & Gas Journal (December 30. 1996)
石炭:世界エネルギー会議(1995年10月開催)(3年に1回開催)
ウラン:OECD/NEA, IAEA(1995年)

**石油:Oil & Gas Journal (December 11. 1996)
天然ガス:Oil & Gas Journal (March 11. 1996)
石炭:世界エネルギー会議(1995年10月開催)(3年に1回開催)
ウラン:OECD/NEA, IAEA(1995年)

***ウランについては、十分な在庫があることから年需要量(6.1万トン)を下回っている。このため、可採年数については、確認可採埋蔵量を年需要量で除した価とした。
[出典]『新エネルギー技術入門』


世界のCO2排出量(1994年)
graph

[出所]オークリッジ国立研究所(アメリカ)
[出典]『新エネルギー技術入門』




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