Think about Deforestation!


02 森林減少がもたらすもの


災害を防ぎ、種の多様性を確保する豊かな森林。
森林は、木材や工業原材料などの資源を産出し、私たちの生活を支えてくれる一方で、さまざま機能をもっているのです。

よく発達した森林の表層土壌は、落葉・落枝などの有機物の蓄積や、それらを食べる動物などの働きによって、“隙間”の多い土壌構造となっています。こうした土壌は、水が土中に浸透しやすく、降雨時にもほとんど地表流は起こらず、したがって土地の浸食も少ないのです。こうしたことは、山崩れや土石流などの災害を防止するほか、下流の河川の流量を安定させることにつながり、また森林の内部や周囲では温度変化や強風が緩和され、森林の存在しない土地にくらべ、より緩やかな気象条件が形成されるのです。

また、熱帯多雨林域の高温多湿な気候は、地球上で最も種の多様性に富んだ生態系を成立させており、地球上の生物種の半分がここに生息すると言われています。もし、現状のまま熱帯林が減少を続ければ、今後30年間で、熱帯林に生息する種の5〜30%が絶滅するとの予測もあります。


■森林の減少面積の大きい国での絶滅のおそれのある動植物の種数
1990〜95年

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■既知種類
  ほ乳類 鳥類 は虫類 両性類
インドネシア 515 1,519 511 270
タイ 251 616 298 107
マレーシア 264 501 268 158
ミャンマー 300 867 268 158
メキシコ 439 961 717 284
パラグアイ 156 650 120 85
ブラジル 394 1,573 468 502
ボリビア 280 1,257 250 110
旧ザイール 415 1,086 - -
スーダン 267 938 - -


注)絶滅のおそれのある種の数は、IUCNが定義する絶滅危惧種・危急種・希少種、またはこれらに属すると推定されるが、現状が不明なものを含む

出所:UNEP・Environmental Data Report 1993-94




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