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[学校のコラム]
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スウェーデンの“環境学習”について取材をしたゴミちゃん。いつもながらに感心することしきりなのでしたが、でも、やっぱり実際の小学校の話が聞きたい。そう思って、神奈川県・川崎市の都市政策部の伊藤さんを訪ねました。伊藤さんは、スウェーデン・ヨーテボリ市のさまざまな活動を20年近く見つめてきた人で、この街の小学校も訪れています。 さて、どんなお話が聞けるでしょう。


スウェーデンの[基礎学校]

“スウェーデンの基礎学校は、7歳からの1年生にはじまって9年生まで、日本の小学校と中学校を合わせたものです。登校日は約180日で、1年の半分はお休み。しかも夏休みの宿題なんてナイ、じつにゆとりに満ちています”

6月初旬から8月中旬までの長い夏休み、子どもたちは両親といっしょに、サマーハウスで自然の楽しみ方を学ぶのだそうです。サマーハウスは郊外の家、別荘というリッチな感覚よりももっと身近なセカンドハウスといった意味あいが濃いものらしい……。泳いだり、魚を釣ったり、森を探検したり、それは楽しい時間なのでしょう。

“ヨーテボリ市のなかでも、音楽と環境教育に関して評判の高い「フロータ基礎学校」を訪れたことがあります。7年生のクラスで、カン詰のなかの汁にどのような化学物質が混入されているか調査してました。スーパーでカン詰を買い、汁を試験管に取り、さまざまな化学反応を調べているんです。どこの国のカン詰にいちばんカドミウムが多いか、そして、それはからだにどんな悪影響をおよぼすのか。熱心に説明してくれるんです”
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『スウェーデンの分権社会』/伊藤和良著(新評論刊)2,400円。この本は、福祉や環境面で先駆的な政策を発信している、スウェーデンのヨーテボリ市のさまざまを紹介しています。伊藤さんが基礎学校を訪れた話も書かれているので、ぜひご一読を。

illust 伊藤さんは、説明してくれた子どもたちの瞳が生き生きしてたのが印象的だったと教えてくれました。自分たちがいつも買うカン詰から、環境についてを学び、さらには化学、医学についても勉強できるわけです。実質的で、かつ総合的な環境教育。自分たちの生活に直結した勉強だからこそ、みんな楽しみながら学べるのかもしれません。

化学の授業がきらいだったゴミちゃんは、伊藤さんの話を聞いて、こんな授業だったら好きになれたかもしれないのにと思いました。わけのわからない化学式や化学記号を暗記するより、ずっとおもしろいなぁと感じたのです。2002年から日本でもスタートする「総合的な学習の時間」が、こうした楽しい授業になることを祈って、ゴミちゃんは編集部に帰りました。


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