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[美術館のコラム] |
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日本でも、少しずつだが古い建物を生かして、美術館などに再生させているところがある。代表的なのが、東京・白金にある庭園美術館。旧朝香宮邸を美術館にした、建物全体がアートなところだ。ほかにも、街のお風呂屋さんをギャラリーにしているところも。お風呂屋さんの高い天井は、大きなモダンアート作品を展示するにはぴったりだからだろう。 |
京都の[大山崎山荘美術館] |
1996年春にオープンした[大山崎山荘美術館]は、もともと関西の実業家、加賀正太郎によって建てられた山荘です。イギリスのウィンザー城を訪れたときに眺めたテムズ河の流れの景色をもとに、みずから設計したといわれます。1912年に英国風の山荘建築に着手し、1915年に3階建ての望楼が、1932年に本館が完成。木津、宇治、桂の3川が合流して淀川となる、壮大な風景を見下ろすように建てられました。 |
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その後、平成に入ってから、荒廃いちじるしい山荘を、アサヒビールの樋口社長(当時)が修復。さらに、世界的な建築家である安藤忠雄設計の新館を併設して、美術館として再生されました。
山荘には、初代アサヒビール社長の山本為三郎が収集したコレクションが展示されています。彼が後援した“民芸運動”に参画した、河井寛次郎やバーナード・リーチらの工芸作品、中国、李朝の古磁器、西欧の磁器などがならんでいます。 |
新館の“地中の宝石箱”は、重厚な本館と庭園との調和を配慮して設計され、円形の陳列室が地中に埋めこまれるという、珍しい設計になっています。ここにはモネの作品のほか、ジャコメッティ、イサム・ノグチなどの秀作が展示されています。
■秋季特別公開 古代オリエントの隊商都市パルミラの饗宴図絵と同時期のシリアから出土したローマングラスの特別展示が行われています。 詳しい問い合わせは、電話:075-957-3123まで。 |
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