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[スタジアムのコラム]
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たくさんの人が集まるスタジアムは、大きいだけに消費するエネルギーも大量です。必要とする水もたいへんな量になります。自然の恵みである太陽や雨水を有効に活用できたら、どれだけ省エネや節水になることでしょう。“これからのスタジアム”のひとつの例として、ワールドカップ開催に向けて建設中の[埼玉スタジアム2002]のようすをのぞいてみましょう。


[埼玉スタジアム2002]の環境対策

[埼玉スタジアム2002]はアジア最大級のサッカー専用スタジアムとして、2001年7月完成をめざして建設中です。3年前に竣工した[横浜国際総合競技場]とは、また別の環境対策も計画され、進行中です。

まず、太陽光発電。南側のサイドスタンド上に設置される太陽光パネルで、8.5キロワット出力の電気が得られることになります。これらの電力は、ゲームのないときでも電気が必要な、管理事務室の照明をまかなうのだそうです。

illust
63,700人が観戦できる
サッカー専用競技場
そして、サッカーといえば、美しい芝のピッチ。芝の手入れのためには、大量の散水が必要となります。そこで、スタジアムの屋根に降った雨水を集め、ろ過処理をして散水に利用するよう設計されました。これらの雨水は、ほかにトイレの洗浄水や冷却塔の補給水としても活用されるそうです。雨水の貯水量は3,250トン。トイレの洗浄水や芝生散水のほとんどがまかなわれるとか。

またスタジアムは、万が一大災害が発生したときなどに、3,000人が避難できる避難施設にもなります。こうした緊急時には、雨水を非常用浄水機で浄水し、飲料水にすることも可能となっています。

そのほかにも、手洗いやシャワーの使用済み排水の一部を中水処理し、トイレの洗浄水として利用したり、ゴミの分別収集・再利用などを進めるため、ゴミ貯留設備なども設置される予定とか。2002年のワールドカップで、世界中に環境対策が自慢できたら素晴らしいことです。


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