Following the Pass of Polar Bears.


白クマは寒くない?  白クマの毛は、最高の防寒着

毛の色がまっ白だから、“白クマ”と呼ばれているが、季節によっては、かびや藻が毛に付着して汚れるので、多少黄色がかったり、灰色がかったりする。毛を顕微鏡で見ると、ほかの動物の毛とは大きく異なり、光沢のあるストローのように、毛の中が空洞になっている。そのため空から赤外線カメラで白クマを撮影しても、ほとんどわからないという。ちなみに、動物園で見られる、うす茶色のようになっている白クマの毛は、コンクリートですれてしまったりして、つぶれたストローの中に汚れなどが入りこんでしまったような状態なのだと考えられる。
白クマのこの空洞の毛こそが、寒さのなかにあっても体温を保持する役目を果たす。毛は、15センチほどのつやつやした堅い上毛と、5センチくらいの密生した下毛の二層からなっている。この構造のおかげで、人間が長時間外にいられないような寒さのなかに白クマがいても、体温が保たれるようになっている。また、毛が水に濡れても、ストローのようなかたい毛は、水が凍りつく前に簡単にふり払うことができる。雪が降り、何もかもが凍りつく11月になると、チャチルには、絵に描いたようなまっ白な毛でおおわれた白クマが見られるようになる。


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