白クマに注意！ 　でも、白クマに会ってしまったら？

“白クマに注意！ 止まれ！ このエリア歩行禁止！”……9月になると、チャチルのいたる所に見られる黄色の看板は、カナダ公園局の白クマ警告板である。この時期チャチルは、“白クマの首都”といわれるほど、白クマの密度が高くなる。 ブラックベアーや、グリズリーベアーなどの他のクマは、人と会うと避けようとするといわれる。しかし白クマは、好奇心が強く、歩いている人間に近寄ってくる。小型乗用車くらい、興味本位に破壊してしまう。人間に対しても、どのような行動に出てくるか予想するのはむずかしい。とくに、肉など匂いがするものに敏感で、匂いのある場所にいたり、匂いのついているものを持っていると、白クマに襲われる可能性は大きくなる。 チャチルの町で、焼いた肉の匂いがする場所にいた人が、食い殺されたことがある。白クマに出会った場合には、安全な場所までゆっくり後退するしかない。もし、走れば、興味を持って追いかけてくる。まして、“死んだふり”をしても通用しない。 （カナダ公園局『Polar bear and you』などより）