Following the Pass of Polar Bears.


チャチルの白クマ  白クマのパレードが見られるチャチル

チャチルは、“白クマの都市”とも言われている。そこは、白クマを安全に見ることができる、世界で唯一の場所でもある。特に10月から11月の初めにかけて、白クマを見るために世界各国から10,000人もの観光客やカメラマンがこの地に集まってくる。
日照時間が短くなる10月末には気温がどんどん下がり、チャチルの近くを流れているネルソン川とチャチル川が上流から大きな氷を押し流してくる。ハドソン湾のチャチル沿岸は、川からの真水で塩分が少なく、どこよりも早く海が凍りつく。また、このころ強い北風に乗って、北極からの氷も押し寄せてきて、ハドソン湾西岸は、一面の大きな氷のかたまりで埋め尽くされてしまう。だから8月になって、ようやく最後の氷が消えるのもこの地域になる。
白クマは氷の上からアザラシを狙って捕らえる。しかし、夏、ハドソン湾の氷が溶けると、白クマは陸へ上がらざるを得ず、アザラシを捕ることはできない。そこで、10月の冬の訪れとともにいち早く海が凍るチャチル一帯を目指して、飢えた白クマたちが氷に乗るため何百頭も集まってくるのだ。


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